太陽光発電が大量普及する際のデメリット
きららホーム代表の井上隆元です。
今、太陽光発電(他にエネファーム、蓄電池など)の
メリットが盛んに宣伝されています。
省エネにとどまらず、
ゼロエネ、ZEHまで言ってるとこありますし。
今までのように単に電気を買うだけではなく、
自分の家で電気を創って、さらに余ればより高い値段で売れる上に、
我が家の現在の発電量と消費電力量が目で見えるわけで、
家族の節電意識の向上にもつながり、
一石で何鳥にもなりますよね。
ここで、太陽光発電を取り付けた住宅が増えれば増えるほど、
あまり知られていない問題が発生することが
予想されているということについて、
少しお話してみたいと思います。
(この記事は、2012年1月当時のものです)
電気には、より電圧の高い電気が、他の電圧の低い電気より
優先して電線を流れるという性質があります。
この性質を利用して、発電された電気は、電柱の線に流れていくわけ(売電)です。
売った電気は、そのまま電力会社の方へ戻る・・・かと思いきや、
お隣か、ご近所で電気を使っている家庭に行きます。
つまり、太陽光発電で作られた電気は、売電した家の近くの家で使われるのです。
売電する家が少なければ、ウチで作った電気は隣のお宅で使われることになります。
ここで問題です。
もしあなたの家に太陽光発電システムが付いていて、
近所の家にも次々に太陽光が付けられたら、電気はどう流れるのでしょうか?
電気を売るためには、電圧を高くする必要があるのは先に書きましたね。
後から付けたシステムは、さらに電圧を上げなければ売ることができません。
すると、最初に付けた電圧の低いシステムの電気は、電柱の方には流れなくなり、
売電が出来なくなってしまう現象が発生します。
それでは困るということで、後からシステムを取り付けるのに
何らかの制限をしなければという話になります。
これが太陽光発電が、早く始めた人が有利だという理由の一つです。
ちょっと難しかったですか?
この問題を解決するのには、スマートグリッドという、
地域(市町村単位?)での電力管理網が必要になるでしょうが、
普及には時間がかかります。
創エネも、使う場所で発電するので理想的なんですが、
突如、爆発的に普及させることもできないというジレンマがあるのです。
ここで書いたことはまだ雑学レベルかも知れませんが、
将来的に問題になってくるかもしれませんね。
太陽光発電が大量普及する際のデメリット