2020年の東京五輪・パラリンピック大会招致決定へのプロセスには、
こんなスピーチがあったんですね。
あまりに素晴らしかったので、紹介させていただきます。
<2020年第32回夏季五輪・パラリンピック大会、東京招致トップバッター
佐藤真海さんスピーチ全文>
私がここにいるのは、スポーツによって救われたからです。
スポーツには私に人生で大切な価値を教えてくれました。
それは2020年東京大会が世界に広めようと決意している価値です。
私自身の話に戻らせていただきたいと思います。
19歳の時に私の人生は一変しました。
私は陸上選手で、水泳もしていました。
また、チアリーダーでもありました。
そして、初めて足首に痛みを感じてからたった数週間のうちに、骨肉腫により足を失ってしまいました。
もちろんそれは残酷なことで、絶望のふちに沈みました。
でもそれは大学に戻り、陸上に取り組むまでのことでした。
私は目標を決め、それを越えることに喜びを感じ、新しい自信が生まれました。
そして何より、私にとって大切なのは、私が持っているものであって、私が失ったものではないと学びました。
私はアテネと北京のパラリンピック大会に出場しました。
スポーツの力に感動させられた私は、恵まれていると感じました。
2012年ロンドン大会も楽しみにしていました。
しかし、2011年3月11日、津波が私の故郷を襲いました。
6日もの間、私は自分の家族がまだ無事でいるかどうかわかりませんでした。
そして家族を見つけ出したとき、自分の個人的な幸せなど、国民の深い悲しみとは比べものになりませんでした。
私はいろんな学校からメッセージを集めて故郷に持ち帰り、私自身の経験を人々に話しました。
食料を持っていきました。他のアスリートたちも同じことをしました。
私たちは一緒になってスポーツ活動を準備して、自信を取り戻すお手伝いをしました。
そのときに初めて、私はスポーツの真の力を目の当たりにしたのです。
新たな夢と笑顔を育む力。
希望をもたらす力。
人々を結びつける力。
200人を超えるアスリートたちが、日本そして世界から、被災地におよそ1000回も足を運びながら、5万人以上の子供たちをインスパイアしています。
私たちが目にしたものは、かつて日本ではみられなかったオリンピックの価値が及ぼす力です。
そして、日本が目の当たりにしたのは、これらの貴重な価値、卓越、友情、尊敬が言葉以上の大きな力を持つということです。