「職人」にも三通りの人がいます。 大志を抱く・技術優先・食えればいい
きららホーム代表の井上隆元です。
三人の石切り職人の昔話があります。旅人がある街を通りかかり、
そこで働いている者たちに「あなたは何をしているのですか?」尋ねた。
最初の男は、「石を切っているのさ。これで給料を貰っているんだ」と答えた。
二番目の男は、石切りの道具を握る手を緩めることなく、
「私はこの国で一番上手な石切りの仕事をするんだ。」と答えた。
三番目の男は旅人に尋ねられると空を見上げ、
まるで夢を見ているかのような目をしながら
「すばらしい大寺院をつくっているんだ。」と答えた。
ピーター.F.ドラッカーの『マネジメント』から引用しました。
数年前ベストセラーになった、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『 マネジメント』を読んだら」の素となった本です。
一番目の男は、食べるため。
二番目の男は、自分の技術を発揮するため。
三番目の男は、人の役に立てる自分と仕事に誇りを持っている。
職人に限らず、会社員でも公務員でも必ずこの三通りの人がいると、ドラッカーは言います。
割合からすると、二番目が一番多いんじゃないでしょうか?
分かりやすくするために、家づくりに置き換えてみましょう。
一番目の職人は、とにかく言われたことを言われた通りにやっているだけ。
誰が住もうが何年か先のことだろうが、そんなの俺には関係ねえ!
二番目の職人は、この家は俺の芸術作品だ。どうだい、いい出来だろ!
三番目の職人は、この家に住むお客さんが幸せになるようにと思いを込めて仕事している。
こんな感じでしょう。
私はと言うと、最初は一番目でした。
自分の腕に自信を持つようになると二番目になり、
今は常時三番目の男になれるよう努力中の身です。
努力中ですからね。
さて、あなたは、もし自分の家を工事することになったとしたら、
どの人に任せたいですか?
「職人さん」シリーズ
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