「職人」同士の連携プレー
きららホーム代表の井上隆元です。
今回は、現場で見ることのできる職人の連係プレーについてお話しします。
スポーツで言うチームワークとはだいぶ異なってます。
時間が短いもので数日、大規模になると数か月~年単位にもなりますので、分かりづらいのです。
まず、最初から最後まで現場にいる職人はいないこと。
職人は、基礎(鉄筋、型枠、重機)、鳶、大工、軽鉄、屋根、防水、外壁、板金、サッシ、左官、塗装、内装、電気、水道、美装その他多くの職種に分かれ、それぞれの分野でスペシャリストですので、出番に応じて現場に入るのです。
その流れをコントロールするのが現場監督の仕事です。
ただ、監督と言えど分単位での職人の動き、細かな部材、釘一本まで完全に把握できるわけではありません。
監督の指示の他で、仕事の流れを職人同士がお互いに調整し合います。
例えば、こんな会話。
「棟梁、このスイッチの横に木材を入れてほしいんだけど」
「どうしてや?」
「いや、この位置だとドアに近すぎて、お客さんが使いにくいと思うんスけど」
「そうか。分かった。・・・こうすりゃいいんだな」
あるいは、
「そこんトコの納まりが調子悪いんで、こうしとくけど、上手いことやれんか?」
「ん~、何とかします。任せといて。」
とか、
「明日はどうしても来れないんで、これ(部品)置いとくから仮付けお願いできますか?」
「おう、その辺に置いといて。ただ、どのに付けるか分かるようにしといてくれよ。」
などという会話が聞かれます。
こうした現場は活気があって、お互い協力し合う気持ちがあるので、
仮に会話がなくとも、
「このままじゃ、あいつが後から困るだろうから、もうちょっと手を加えておくか。」
「お、こりゃやりやすくて、ありがたい。よーし俺もいい仕事をするぞ。」
となって、自然といい仕事の流れになっていくことが多いのです。
私たちは、いつもこのような現場になるように心がけています。
お施主様と作る人たちの思いが詰まった家は、本当にいい家になる
からなのです。
「職人さん」シリーズ
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