職人のプライド・矜持
きららホーム代表の井上隆元です。
人は誰でもプライドを持っていますよね。
褒められれば嬉しいし、欠点を指摘されれば落ち込んだり怒ったりします。
自分の腕(技術)を売りにしている職人にもプライドは当然あって、
同じ部分もあれば、独特と思えるところもあったりします。
今日は 、そんな「職人のプライド」についての話です。
①自分の技術でお金をいただいている、という自負
医師でであってもパイロットであっても、コンピューター技術者でも同じだと思います。
自分の腕に自信を持つことは大切なことですよね。
②一度入った現場は、最後まできちっとやり切る
自分が指名されて来た現場に一度手を付けたら 、最後までやりきろうとします。
途中で投げ出すとは、職人仲間からは陰口を言われかねないほどのことです。
ただし、自分のプライドを傷つけられたと思ったら、その現場には二度と入ろうとはしません。
③前工程で不具合があっても、自分の担当分野ではベストを尽くすことを心掛ける
前の職人の仕事がいい加減だったり、おかしなことがしてあっても、
文句を言いながらも何とか形にしようと努力します。
自分の仕事で恥ずかしいところは見せられん、という思いからです。
④「(後のことは考えず)とにかく何でもいいから」という仕事は請けたくない
時々あるのですが、「安ければ何でもいい」という方の仕事になると、
こういう心理に職人は陥ります。
「自分が腕を磨いてきたのは、こんなことをするためじゃない。
自分の技術を評価してくれないのなら、他の誰かにやってもらってほしい。
世の中には喜んでやるやつもいるだろう・・・」
お施主さんには事情があるんですが、職人にもプライドがあるわけです。
⑤とりあえず「出来ん」と言う人もいる。
仕事の紹介をされた時、面倒くさそう、手間がかかりそうと感じた時に口ぐせのように言う人がいます。
本人は悪気がないので、職人に多く接している人なら当然と受け止めています。
「出来ん」と言われた時こそ、職人のプライドをくすぐるチャンスなのです。
⑥年齢や経験より技術を上に見る
「この人の腕は自分より上か下か」が第一のバロメーター。
そして「よく知っているか」どうか。
専門外の人には優しく接しても、若い現場監督にはきつい(知識が追い付かないため)対応を
したりするのは、このためです。
もっとも、出来る職人はさらにその上を行っていて、
監督さんをも上手に動かすスキルを駆使しているようです。
⑦無意識に品定め
異性を見る目ではありません。あくまでも仕事に対してです、念のため。
「あそこが上手くいってないな」「自分ならこうする」と、
他人の仕事への評価をします。
大抵が辛口。
いい面もありますが、マイナスに働いてしまうこともある、ちょっと困った性質、
といったところでしょうか。
⑧その気にさせると滅茶苦茶がんばる
褒められたから、自分の好きな人が笑顔になるって分かったから、
ものすごく頑張ったのよ~、って記憶、誰にもあると思います。
職人も同じ。
自分の技術が役に立つ、喜んでくれる人がいる、
それがひしと伝わる時にはもう、滅茶苦茶頑張るんです。
こういう時の職人って、本当にいい仕事してくれますよ。
さて、ここまで職人のプライドについて、まあいろいろ書いてきました。
もちろんプライドだけで生きていけないのも事実です。
(それを貫けば孤高の人)
でもまあ、少しでも職人について分かっていただければと思います。
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